第34号議案・令和5年度白石市一般会計予算案について、反対の立場で討論をしました。
○ただ今議題となっております第34号議案・令和5年度白石市一般会計予算案について、反対の立場で討論いたします。
先般表明された施政方針でも述べられておりますが、令和2年度から続く新型コロナウイルス感染症の感染拡大からはや3年となり、市民の健康や生活、地域経済活動など、あらゆる面において甚大な影響を及ぼしてきました。
さらに、国際的な原材料価格の上昇に加え、円安の影響などから日常生活の密接なエネルギー、食料品などの価格上昇が続いており、現在市民生活に深刻な影響を及ぼしております。
まず初めに、このような状況の中、市民の方々の生活を支えるため、大変なご苦労をして予算編成に当たっていただいた理事者並びに職員の皆様方に、心から感謝と敬意を申し上げます。
それでは、反対の理由を述べさせていただきます。
まず、1つ目は、本年4月1日より市立病院となる公立刈田綜合病院についてでございます。
市長は、過日の質疑において、4月の広報しろいしで新たな市民病院としての刈田病院の姿が明らかになると答弁されておりました。
しかし、市民や刈田病院に通院されている患者さんは、一日も早く、どんな病院になるのか、自分を診てくれている先生が4月以降も刈田病院に残ってくれるのかなど、知りたいと思うのは至極当然のことではないでしょうか。
しかしながら、4月から市立病院としてスタートする公立刈田綜合病院については、いまだ医師数、看護師数など明確にされず、診療科目についても何が実現され、何が実現されないのか、明らかにはなっておりません。
過日の委員会の中でも給与特例措置交付金、いわゆる激変緩和のための現給保障がなされることになっておりますが、その中で賞与分は残念ながら対象とはなっておりません。
また、2年目以降は保障率が低下し、給与全体としては減少するということになります。そのことは、有能な人材や、これから病院を支えてくれるであろう若い職員の離職を招くことになるのではないでしょうか。
現在、刈田病院に勤務している職員の皆さんが、今後も引き続き継続して刈田病院で働いてもらえるのか、危惧されるところであります。
やはり、来年度以降も職員の皆さんが残って病院を支えてもらうためにも、前向きに病院へ勤務していただくためにも、新たな支援策を講じる必要があるのではないかと考えます。
それから、貸付金としての病院事業運営費貸付金2億円について説明を受けたものの、残念ながら疑問符をつけざるを得ないことを指摘させていただきます。
2つ目として、子供・子育て支援の充実についてですが、市長は施政方針において、子育て世代が子供を産み、育てたくなる社会の醸成を目指し、昨年12月にベビーファースト活動宣言を行い、本年4月1日にはこども家庭庁が発足し、子供のための施策が一元的に進められることから、本市としても子供・子育て支援のさらなる強化を図ると、本市の子育て支援に対する決意が力強く述べられておりました。
そこで、学校給食費の改定でございますが、平成21年度に学校給食費を改定してからの13年間、消費税率の改定や食材価格が上昇する中、献立の工夫などにより、給食費を据え置いたまま提供を続けてこられたこれまでのご努力に関しては、感謝するところでもあります。
しかしながら、本予算案には幼稚園、小学校、中学校の給食費の値上げが計上されております。年間の平均値上げ幅は、小学校が7,954円、中学校が9,984円、幼稚園は、選択制ではあるにせよ4,080円の値上げにもなります。
確かに、学校給食センターの運営費や調理員の人件費、光熱水費、給食の配送費などは市が負担し、保護者は賄材料費だけの負担としていることは、理解しております。
また、学校給食に係る賄材料費において、昨年来からの物価高騰により値上がりしていることも十分承知しております。
学校給食法第11条第2項で、給食を受ける児童・生徒の保護者の負担とするという法律もありますが、またその一方で、財政が厳しい状況下にあっても、何とか保護者の負担を軽減しようと知恵を出し、考え、工夫し、財源を捻出している自治体もあります。
しかし、本市においては、賄材料費の上昇分を保護者の負担としたことから、結果的に給食費の値上げをせざるを得ない状況となったことは、誠に残念でなりません。
過日の質疑においても子育て中の保護者の皆さんからは、給食費値上げについて特に異論はなかったと答弁がありました。
しかし、私は異論がなかったのではなく、異論が言えなかった、異論が言えない状況だったのではないかと考えます。本年1月11日の学校給食費の改定についてのお知らせを読んだ保護者の皆様から、戸惑いの声が多く寄せられております。本来、行政はそのような声なき声に耳を傾け、その声を政策に生かしていくことが最も重要だと考えます。今回の給食費の値上げが、果たして保護者の皆様方の思いを反映しているのか、甚だ疑問でなりません。
また、市民、子育て世帯の皆さんの生活が厳しくなっているこの時期に、学校給食費の値上げを行うことは理解に苦しむところであります。
今後は、白石市の未来を担う子供たちの心と体をつくる学校給食費の軽減、そして無償化を強く要望するものであります。
それから、安心して子育てをする環境をつくるための子ども医療費助成についてでございます。
現時点では、県内33自治体において助成対象が18歳となっており、助成対象が15歳までとなっているのは、本市を含めても2つの自治体となっております。本市においても、早急に18歳までの医療費助成を強く求めるものであります。
3つ目に、公民館指定管理者委託料についてでございます。
令和4年8月に、教育委員会に白石まちづくり連合会から長年据え置かれていた人件費等、公民館長、事務長、職員等の給与の見直しを求める要望書が提出されました。そのことについては、令和4年12月定例会の質疑において、副市長は、「各公民館のほうからも職員の賃金関係のお話をいただいている。当然に、宮城県の最低賃金も上昇している。その部分は見なくてはいけない」と。そして、「2月の議会のときに予算を出させていただく」というご答弁をなさっております。
また、同僚議員からも白石まちづくり連合会から出された要望書に沿った内容で、特に事務長あたりの待遇も含めて、ご検討していただきたいというご意見も出されておりました。
しかし、今回の予算案は、館長と事務長の処遇は据え置かれ、職員の賃金については僅かに改善はされているものの、とても十分とは言えません。このような内容では、地域のために尽力していただいている公民館職員の皆さんの期待と努力に報いることはできないものと考えます。
今後においては、早期にまちづくり連合会からの要望がぜひとも実現するよう、さらなる処遇の改善を強く希望するものであります。
最後に、文書広報配布・行政事務連絡等委託料についてでございますが、毎年約2,100万円もの予算が計上されております。過日の委員会質疑において、白石市自治会連合会に委託されたとはいえ、業務委託の処理に当たって指導不足が否めず、市がその責任を果たしているのか、納得のできる答弁をいただくことができませんでした。このことにより、特に税の公平性については、残念ながら疑問を払拭することができません。今後については、当局の対応に期待するものであります。
以上の理由から、第34号議案・令和5年度白石市一般会計予算案には反対といたします。
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、反対討論を終わります。
●採決の結果、賛成9、反対7で原案可決
第35号議案・令和5年度白石市国民健康保険特別会計予算案について、反対の立場で討論をしました。。
◯ただいまより、第35号議案・令和5年度白石市国民健康保険特別会計予算案について、反対の立場で討論いたします。
現在、本市の経済状況は、新型コロナウイルス感染拡大の影響も大きく、さらに昨今の急激な物価の高騰もあり、市民生活は大変厳しくなっております。
昨年、12月定例会で、国民健康保険税の改正による値上げ案が、可否同数の上、議長裁決で可決されました。今回、税率改正後の予算案が上程されておりますが、このことにより国保に加入している被保険者の方々は、経済的に大きな影響を受けることになります。
なぜなら、本市の国保の加入者の構成を見てみれば、その多くは会社を定年になった方や退職をなされた方々であり、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、昨今の物価高騰の影響を大きく受けていると思われる自営業者や農業者の皆さん、そして、年金で生活をなされている方など、比較的所得の低い方々となっております。
このような方々のことを考え、現在の経済状況等を鑑みると、本案を認めることは到底できないものとして考えざるを得ません。
以上のことから、第35号議案・令和5年度白石市国民健康保険特別会計予算案には反対といたします。
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、反対の討論といたします。
●採決の結果、賛成8、反対8の同数により、議長裁決により原案可決