議提第3号・インボイス制度の実施延期を求める意見書を議会運営委員会として提出しました。
議提第3号・インボイス制度の実施延期を求める意見書につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の収束や景気回復が見通せず、中小事業者・個人事業主の経営困難が続く中、2023年10月からのインボイス制度(適格請求書等保存方式)の実施に向け、2021年10月1日からインボイス発行事業者の登録申請が開始されています。
消費税免税業者を取引から排除しかねないインボイス制度は、農業者、フリーランスも含めた中小事業者・個人事業主が、取引先や元請、業務委託先から取引を断られる、値引きや単価引下げを求められる、課税業者になるよう要求される、消費税納税を余儀なくされるなど、事業者間の取引慣行を壊し、免税点制度を実質的に廃止するものであります。
立て続けの消費税増税やコロナ禍で、時短・営業自粛等を余儀なくされ、地域経済が疲弊する中で、中小事業者・個人事業主の経営危機は深まっており、インボイス制度に対応できる状況ではありません。多くの中小企業団体や税理士団体も、凍結、延期、見直しを表明し、現状でのインボイス制度実施に踏み切ることに懸念の声を上げています。
コロナ禍を克服し、新しく構築すべき経済・社会においても、地域に根差して活動する中小業者・個人事業主の存在が不可欠であります。
よって、国及び政府においては、中小事業者・個人事業主の事業存続と再生、ひいては日本経済振興のため、インボイス制度の実施を延期することについて、地方自治法第99条の規定に基づき、関係大臣及び国会に意見書を提出しようとするものであります。
●採決の結果、満場一致により可決